web3.0の時代に入り、DAOの存在がますます注目されるようになってきましたよね。
しかし、DAOを立ち上げるだけでは、本当に理念通りの自治的な分散型組織(DAO)になることは、難しいです
会社でも、ゲームのギルドでも、コミュニティを作ったり運営したことのある人なら、人をまとめて目的に進む大変さを分かりますよね
本記事では、DAOに必要な定義なる要素を話しつつ、私が実際に経験して見えた定義とされているDAOとは、少し乖離せざる得ない側面も解説していきます
いわゆる、理想と現実、またその差を話してくれるのね
これらの要素を抑えることで、より良いDAOを実現することができるでしょう。
【web3.0】経験して見えたDAOに必要な10の要素
明確なビジョンが必要 – DAOが何の目標を達成したいのか明確に
DAOは、特定の所有者や管理者(中央管理者)がいなくても、分散型の意思決定するシステムとスマートコントラクトを組み合わせて、参加者が自律分散的に事業などを運営する組織です。
トップは作らず、参加者同士で協力して、目的を達成するんだね
単にDAOを立ち上げるだけでは、その目的が明確でなくなってしまい何のために集まっているのか分からない組織になってしまいます。
DAOが何の目標を達成したいのか明確にする必要があります。
DAOの目的を明確にすることで、参加者はより一致団結し、目標達成に向けた取り組みがスムーズに進められるようになります。
DAOが何の目標を達成したいのかを明確にし、その目標を達成するために必要なスキルやリソースを持つ参加者を獲得することが、成功への鍵となります。
DAO参加は自由であるものの、セグメントはある程度絞る
DAOは、誰でも自由に参加することができるとされています。
この自由な参加性は、web3の理念らしくDAOの透明性と民主性を高めるうえで非常に重要な要素です。
「自由に」の定義も、少し難しい面があります
参加者を完全に自由にすると、DAOのビジョンや目的から外れる可能性があります。
また冷やかしや、荒らし目的の参加もいないとは言えないので、参加条件は必要です。
そのため、DAOに参加する人材をある程度は選定する必要があります。
ビジョンに向かって進める意志や、やる気を持っている人が参加することが重要です。
例えば、DAOの目的に関連するスキルや経験を持っている人、DAOの価値観に共感する人などが適任とされます。
これまの経験上で、この様な説明をすると「スキルない人は参加できないのか?」「参加したところで、何もできないじゃないか」との意見も見受けられますが、そんなことはありません。
DAOが成功する音楽バンドをモチーフにした例を作ってみました
また、コチラの記事で紹介するどこかでは、DAOに参加できる事は少なからずみつかるのではないでしょうか?
適切な参加者選定を行うことで、DAO内の意見対立やトラブルを予防することができます。
DAOのビジョンに共感する参加者希望者に対して、偏りや差別が生じないように十分注意する必要があります。
DAOは、誰でも自由に参加できる組織であるため、参加者選定においても公平性を確保することが求められますよ
公平性を確保することも忘れずに行う必要がありますね
分かりやすくシンプルに – DAOの構造や伝え方の重要性
DAOは、透明性と民主性を追求するための組織です。
しかし、多くの場合、その構造や運営方法は複雑で、一般の人々には理解しづらいことがあります。
そのため、DAOの構造や伝え方をシンプルにしておくことが重要です。
DAOの構造や仕組みをシンプルにしておくことで、参加者たちがDAOの運営について理解しやすくなります。
また、DAOの目的やビジョンに関する情報を共有する場合も、シンプルで明確な伝え方をすることで、多くの人に共通の情報を行きわたらせることができます。
多く発信するメリットもありますが、ここに行けば確実な情報が参加者が明確に分かる場所があるのが重要ね
さらに、DAOがシンプルな構造を持っていると、新しい参加者が参加しやすくなります。
DAOが複雑すぎると、参加するために必要な手続きやルールがわかりづらくなり、新しい参加者が参加することを躊躇してしまうことがあります。
シンプルな形にすることで、DAOは参加者が理解しやすく、新しい参加者が参加しやすい環境を作り出すことができます。
インセンティブ設計(無償活動はダメ!絶対)
DAOは分散型の組織であり、ネットワーク上での活動を行っています。
そのため、DAOの参加者は報酬を得ながら活動することが望まれます。
ここで、報酬とは、通貨やトークンなどの形で支払われる利益のことを指します。
この辺は、現在2023年のの日本の制度では、他の法律との兼ね合いで出資や分配、税制などの難しい面があるんですよね
しかし、DAOには自由に参加できるため、活動に対して報酬を得られない場合があります。
そうなると、モチベーションが下がり、DAOの活動が停滞する可能性があります。
いわゆる、やりがい搾取ですよね
なので、DAOにはインセンティブ設計が必要不可欠です。
インセンティブ設計には、報酬の分配方法やトークンの設計などが含まれます。
報酬の分配方法は、ガバナンストークンに基づいたり、参加者の貢献度・活動内容に応じて決めることが望ましいです。
また、トークンの設計には、価値の安定性や流通性が重要な要素となります。
迅速な行動が求められる、スピード感の重要性
DAOにとって時間は重要な要素であり、プロジェクトの成功に影響を与えます。
ビジョンや目標が明確になっていても、行動が遅れてしまうと、参加者の熱意や意欲が薄れ、プロジェクトが停滞してしまいます。
スタートアップ企業のように、素早い(アジャイル)な進め方が求められる場合が多いです。
スピード感を持って行動するためには、計画性が必要不可欠です。
進行状況や課題の共有や、決定事項のすばやい反映ができるようなコミュニケーションツールやプロジェクトマネジメントツールを利用することも大切です。
また、参加者の役割や責任、タスクを明確にすることも重要です。
その上で、決めたことは実行することが必要です。
特に、メンバーの多くが無報酬で参加している場合、スピード感を持って動くことが重要になります。
もちろん、計画の見直しや、迅速さ(アジャスト)も必要ですが、あくまでも時間を無駄にせず、効率的に進めていくことが大切です。
役割分担が必要 – DAOでの部署設立について
DAOには多数の参加者がいて、全員が同じ目的に向かって行動するためには、会社の様に役割分担が必要です。
一般的な企業での部署設立に似ていますね
各参加者には、彼らの専門知識、スキル、能力に基づいた役割が与えられます。
これにより、効率的かつ効果的に目標を達成することができます。
例えば、マーケティング部門、開発部門、コミュニティマネージャーなど、異なる部署を設立することで、それぞれが専門性を発揮し、集団としてより大きな成果を出すことができます。
役割を決める際には、各部署が自己組織化されることを促すことも重要です。
これにより、メンバーが自分たちの意見やアイデアを自由に表明し、問題を解決するための最良の方法を見つけることができます。
最終的に、役割分担がうまくいけば、より効率的かつ生産的なDAOが構築されますね
定期的に振り返り、状況を共有する
DAOは、目的を達成するために集まったメンバーで構成されています。
しかし、そのメンバーが個々に動くのではなく、一体感を持って行動するためには、状況を共有することが大切です。
そのためには、定期的に振り返りを行うことが必要です。
定期的な振り返りは、状況共有の他にも、目標の再確認や課題の整理、次のステップの立案など、多くのメリットがあります。
また、振り返りの際には、すべてのメンバーが率直に自分の考えを言い合うことができる環境が必要です。
そのためには、オープンな雰囲気をつくり、相手の意見に対して理解を深めることが重要です。
定期的な振り返りは、DAOのメンバーが一体感を持って目的に向かって進むために欠かせない要素のひとつです。
それぞれが自分の役割を果たし、チーム全体が目的を達成するために、しっかりとしたコミュニケーションが必要です。
道筋を示すロードマップが重要
DAOにおいても、プロジェクトの方向性や進捗状況を示すロードマップが必要です。
これによってメンバーは、目的達成までの手順や時間軸、担当箇所などを明確に把握することができ、スムーズに作業を進めることができます。
また、ロードマップは外部への情報共有にも有用であり、DAOの進捗状況を公開することで信頼を得ることができます。
ただし、ロードマップは柔軟性も必要であり、予期せぬ変更に対応できるようにアップデートすることも必要です。
司会進行や盛り上げる力が必要
DAOは、多くのメンバーで構成されているため、意見が割れたり、方向性が見失われることがあります。
そのため、司会進行や盛り上げる力が必要になってきます。
司会進行をすることで、議論がぐちゃぐちゃになるのを防ぎ、円滑な議論が進められます。
また、盛り上げ力がある人がいることで、DAOのイベントやミーティングがより活発になります。
閑散としてしまう時期もあると思いますので、そんな時に話題を作ってくれることも大切ですね
また、あまり話さないメンバーや新しいメンバーに配慮できる人が必要です。
これらのメンバーが入りにくい雰囲気があると、参加意欲が低下してしまうため、DAO内での意見交換や活動が滞ることにつながります。
盛り上げ役が意見を引き出したり、積極的にコミュニケーションをとることで、メンバー全員が活躍できる環境をつくり出すことができます。
段階的に理念通りのDAOにしていく
DAOの理念は、分散的な組織形態で、完全な民主主義と平等・公平を実現しようとするものです。
しかし、この理想的な状態にすぐに移行することは困難であり、段階的に進めていく必要があります。
まずは、自律的に動くための構造を整える必要があります。
小規模のDAOであれば、ビジョンやコミュニけーけション、財務の管理などを教習することは可能ですが、大規模な理念通りのDAOを作るのは困難です
スタートアップ時のメンバーで大枠を作る方がベターな選択で、そこに共感して集まってきた参加者と一緒に規模を拡大し成功に導くことが1つの方法です
世界の成功しているDAOの多くは、この様な二層式の形態をとっている所が多いようですね
段階的に、この二層式の状態から、理念通りのDAOに移行できるように取り組んで行けるようにします
二層式にすると「そんなのDAOじゃない」との意見も出るかもしれません
DAOを音楽のバンドに例えた、分かりやすく説明した記事を書きましたので、興味ありましたら見てね
自律的な動きや意思決定のプロセスを徐々に改善し、チーム全体で意思決定を行い、進んでいくことが大切です。
まとめ
DAOに必要な10の要素を紹介しました。DAOの理念は素晴らしいものがありますが、実際に運営する上での課題も多いことが分かりました。
しかし、これらの要素を意識しながら運営を進めることで、より自律的で公正なDAOを作り上げることができるでしょう。
特に、メンバー間のコミュニケーションや意思決定のプロセスの明確化が大切であることが分かりました。
これらの要素を意識し、段階的に理念通りのDAOに移行していくことで、より良いDAOを実現していきましょう。