DAOでのガバナンストークンと株式会社の株式の違いはと何かな？
物質的な違いはあっても、意味合い的にはほとんど一緒と言ってもいいですね
では、株式会社における株式ではなく、DAOにおけるガバナンストークンを作る目的や役割の違いなどを見ていきましょう
DAOでのガバナンストークンとは
ガバナンストークンは、株式会社における株式に近い存在で、意思決定における投票権を兼ねていますので、保有することでDAOの運営に関わることが出来ます
保有率が高ければ、大株主の様に影響力も大きくなりますし、過半数を持つことで中央集権になってしまいます
DAOの定義をひっくり返すような事実…
そうならないような仕組み・インセンティブ設計（利益分配）やルール作りをしていくのが必要ですね
ガバナンストークンを理解するには、DAOとトークンについての理解が必要なため、ここでは必要な部分だけど簡潔に説明させて頂きますね
因みにweb3やDAOに関する主要な用語はコチラの記事にまとめましたので、分からない言葉がありましたらご覧ください
DAO
DAOは中央集権者のいなくても、組織内の参加者で自律的に運営される分散型組織です。本当にそんな夢のような話が成り立つのか？という点においては、ビットコインはDAOで成り立っていまして、世界中のマイナー（マイニングする人）で成り立っています
主な特徴は ・中央の権力者がいない ・トークンによる投票での意思決定 ・匿名性 です
会社との大きな違いは、株主や取締役などの偉い人が方針を決めて、労働者が働くのではなく
DAOは、自分たちが決めて、自分たちが動く事です
トップダウン方式じゃない所がDAOと会社の違いなのね
その「自分たちで決める」の時に使われるのが、ガバナンストークンです
トークン
トークンとは、web3上での現在の共通認識としては、暗号資産（仮想通貨）などのFTも、NFTもトークンとされていまして、あらゆる暗号資産を指しています。
※厳密に言えば、トークンはまだ、正確な定義とされるものは確立していません
言ってしまえば、ブロックチェーンで出来たものは全てトークンと呼べます。
最近では、ビットコインやイーサリアムはそれ自体の存在が大きくなったので、それらを独立させて、それら以外をトークンと呼ぶ場合が多いです
代表的なトークン
- NFT（非代替性トークン）
- FT（代替性トークン）
- DeFiトークン
- ガバナンストークン
- セキュリティトークン
- アセットトークン
- ユーティリティトークン
- ソーシャルトークン
- ステーブルコイン
ガバナンストークンの特徴
ガバナンストークンの特徴は８つあります
- 保有する事でDAOに参加できる
- 保有する事で意思決定する投票権がある
- 保有することで特典が受けられる
- 発行上限が設定されていることが多く資産性がある
- 購入できる
- 購入する以外にも入手方法がある
- 一部の人が大量に保有するとDAOらしさがなくなる
- 株式と同様に買収が起こる
とは言っても、まだ日本ではweb3に関する法律も制度も完成してはないので、web3やDAOの定義によるものや海外の先行している事例によるものになります
海外の事例ですと、暗号資産の取引所でガバナンストークンを取り扱っています。
海外の取引所でガバナンストークンを購入したい際には、日本円での入金が出来ないので、国内の取引所で暗号資産を購入してから海外取引所に送金するのがいいですね
ガバナンストークンと株式会社の株式の違い
ガバナンストークンと株式会社の株式は、意味合いは同様の物であり、どちらも証券です
株式の違い
構造的な事も含めて言えば
- 発行元がDAOなのか株式会社かの違い
- ブロックチェーンで出来ているのかそれ以外か？
- 参加者が持つべきものか？偉い人（取締役や大株主）が持つか？の
③に関しては、ガバナンストークンは購入も出来てしまうので、そのDAOに関係しない方が所有すると株式に寄ってきてしまう面があります
かといって取引しないと、キャピタルゲインも起こらなくなってしまうので悩ましいですね
敵対的買収は起こる？
株式と同じだと、お金目的でガバナンストークンをDAOのビジョンと関係ない人が買ったり、敵対的買収はあり得るのかな？
DAOの歴史は、長くないので事例は少ないですが、可能性的にはありますね
ただ、会社と違うところは、参加したい人が参加する、参加したくなくなったら辞めるのも自由なDAOなので、規模やビジョンにもよると思いますが、あんまり参加者のビジョンと違うことをやろうとするとDAOが崩壊してしまう可能性もありますね…
また、ほぼ起きないとされているシステム上の話ですが、ブロックチェーンには51%攻撃という物があります。
これはブロックチェーンは、多くのノードに記録されているデータが多数決を行って検証したりして、正しい情報を維持しているので改ざんはほぼ不可能とされているのですが、理論上では51%を同時に改ざんが行われると、改ざんしたデータが正しい情報と書き換えることは可能です
実際にある世界のDAOや、DAO的な組織を見ますと、1つ当たりのガバナンストークンの価値がとても希薄な存在になっています
また経済規模を見ても、DAO自体の価値が小さい物がほとんどだったり、事業規模においてガバナンストークンの総発行枚数が多すぎたりするのが原因です
良い様な、悪いような話ですが、これによって保有者を分散化して敵対的買収や独裁が防げている面もあります
まとめ
DAOで発行されるガバナンストークンは、株式会社での株式。発行元に対する証券です。
株式会社での株の保有率がものをいう様に、DAOにおいてはガバナンストークンを用いた投票は株主総会におけるものと同様です
DAOの定義である、中央集権者がいない分散型組織というのは平等のように聞こえますが、ガバナンストークンの使い方次第な面がありますね
ガバナンストークンを含めインセンティブ設計を上手くやらないと、株式会社と同じようなものになってしまうし、同じビジョンを持った人の集まりなら、イメージに近い分散型組織になるでしょう
ガバナンストークンを証券と扱わないのも問題ですが、一部の人がガバナンストークンを持ちすぎてもDAOらしさがなくなってしまうのも問題だね
このことから、適切なルール作り、規制を作るのも必要ですね
まだまだ、成熟には時間のかかりそうなDAOですが、体験できるチャンスがあります
ZOZOの創業者の前澤友作さんがDAO的なMZDAOコミュニティを作りました。
まだまだ日本では規制が多くDAOらしさを発揮できませんが、現時点で何が出来るのか見れるチャンスがありますよ
直接海外のDAOに関わってみたい方には、主要な国内取引所をまとめましたので、ご覧になってください
