ブロックチェーンは改ざんが非常に困難な3つの理由
ブロックチェーンに記録されたデータは基本的に後から編集したり、改ざんする事は非常に困難です。
改ざんが困難にしている理由は以下の３点です
- ブロックチェーンの構造によるもの
- 分散して運営されているため（P2Pネットワーク）
- 暗号化（トランザクション）
これだけでも技術的に改ざんは困難なんですが、もう１つ技術的なこと以外にも困難な理由があります。
心理的・経済的な面の理由になりますが、採算に合わない（労力に合わない）ことです。
では、技術的に改ざんは困難な3つの理由を見ていきましょう
ブロックチェーンの構造によるもの
それはブロックチェーンには、作られた時から現在までの、成立したすべての取引履歴が記録されています。そして、記録された内容は容は誰でも見ることが出来るからです。
ブロックチェーンには、実際にブロックが鎖のようにつながっていまして、行われた取引の情報は一定期間ごとにブロックへ記録されて行きます
連なるそれぞれのブロックには、行われた取引のデータだけでなく、これまでに保存されてきたデータを凝縮したデータ（ハッシュ値・ナンス値）が保存されます。
これまでのブロックのデータを引き継ぎ、鎖（チェーン）の様に連なる事により改ざんを困難にしています
部分的に改ざんしようとすると、前後のブロックと合わなくなってしまうから書き換えることが出来ないのです
じゃ、1つのブロックじゃなく対象になるエリアのチェーンや、全てのチェーンを一気に改ざんすることは出来ないの？
それは、ブロックチェーンは１つのサーバーで管理しているわけではなくて、分散して運営されているから難しいのです
分散して運営されているため（P2Pネットワーク）
現在の多くのシステムでは、中央にサーバーががあり、ネットワークに参加する端末とやり取りしているクライアントサーバーシステムです。
クライアントサーバーは、技術的にはデータを改ざんすることが可能です。
ブロックチェーンは、参加する世界中のコンピューター（ピアもしくはノード）同士がつながってデータを分散して管理している、P2Pネットワークで運用されています
P2Pネットワークは、中央のサーバーでデータを処理しているのではなく、世界中のコンピューターがデータを持っているので、自分1人のデータを改ざんしても、周りのデータのとの整合性が合わなければ、ブロックチェーンは変わることはありません。
暗号化(トランザクション)
ブロックチェーンは、暗号化されトランザクションの正当性を保証しています
分かりやすく例を交えて説明します
クレジットカードを使う時に決済が出来るのは、ユーザーがお支払いをしたデータと、お店側がお金を受け取ったデータの整合性が取れた時に決済が完了します。片方の処理だけしてしまうと、宙に浮いてしまうお金が出来てしまうため、大変な事になってしまいます。
そうならない様に、一連の処理を１つの全体の処理として管理する事を、トランザクション処理と言います
複数の処理を行った時に、1つでも間違った処理があった時には、一連の処理が行われないんだね
そうだね！その処理を暗号化する事でセキュリティを高めているよ
ブロックチェーンは困難だが改ざんはできる
ブロックチェーンの改ざんの難しさを語ってきましたが、困難ではありますが理論上では改ざんは可能です。
そのブロックチェーンのネットワーク全体の、51%以上の処理速度をもって改ざんする事です。
ネットワーク全体というのは、つまり参加する世界中のコンピューターよりも速い計算能力が必要です。
これを、51%攻撃と呼びます。
計算能力の過半数を超えられるのが弱点ではありますが、現実的に行えるかと言えば難しいでしょう。
改ざんを行ってなにか利益を得ると言う意味では、それだけのコストや手間をかけて、改ざんするメリットを得る事はできなそうだね
それに、もし世界中のコンピューターよりも速い計算能力や改ざんするスキルを持っているなら、悪用するよりも、そのブロックチェーンに貢献した方が利益が大きくなるので、動機の面でも起こりにくいわね
まとめ：ブロックチェーンの改ざんは困難
ブロックチェーンは改ざんが非常に困難な3つの理由と、51%攻撃について解説しました。
- ブロックチェーンの構造によるもの
- 分散して運営されているため（P2Pネットワーク）
- 暗号化（トランザクション）
理論上では、ネットワーク全体の、51%以上の処理速度をもって改ざんする事は可能
動機的にも、経済的に考えるなら悪用よりも貢献の方がメリットが大きいため行われにくい
