手描きの二次創作のイラストと、画像生成AIで作られたAIイラストでは、以下の2つの事例にはどのような差があるのでしょうか?
- 人間がとある画像Zを二次創作した場合
- AI学習のおいて、AIの学習したモノの1つに、画像Zが含んでいた画像生成AIで生成した場合
この問題は、非常に答えにくいテーマで、みなさん話したがらないテーマですね…
私はイラストも描きますし、AIイラストも楽しんでいますので、フラットな視点で解説していきます
炎上しやすいし、議論を呼ぶ問題なので慎重に答えていきますね
この記事を見ると、さまざまな場所で議論を呼んでいる、手描きイラストとAIイラストの問題や背景を理解できるようになります
【手描きイラストとAIイラスト】二次創作と画像生成AIの違い
何をもって「違い」というのかという点では、今回は著作権を中心にについて違いを解説しますね
冒頭に示した以下の事例ですが、法律的(著作権法)には同じ扱いになります
- 人間がとある画像Zを二次創作した場合
- AI学習のおいて、AIの学習したモノの1つに、画像Zが含んでいた画像生成AIで生成した場合
あなたが描いた二次創作のキャラクターの絵と
AIが生成したキャラクターの画像は、法律的には同じように扱われます。
どちらも、元のキャラクターの画像に対する権利(著作権)に関わってくることです
また、画像に対する権利(著作権)が発生しない場合があります(パブリックドメイン)
問題は、画像Zに著作権があるのか?ないのかで変わりまして、手描きか?AI生成かでの問題の差は生じません
この問題には、AIやweb3.0に詳しい福岡真之介弁護士にアドバイスを頂きました
画像Zに著作権があったら、どうなるのでしょうか?
①と②の事例において、どちらも著作権法上の問題が生じる可能性があるという点で同じです。
- 人間がとある画像Zを二次創作した場合
- AI学習のおいて、AIの学習したモノの1つに、画像Zが含んでいた画像生成AIで生成した場合
人間がそのキャラクターの絵を描くことも、AIがそのキャラクターの画像を生成することも、法律的には問題が生じる可能性があります。
両方の事例において、元の画像Zが著作権で保護されている場合、その画像を無断で使用することは著作権侵害となる可能性があります。
つまり、著作権者から許可を得ずに使うと、それは違法となる可能性があるのです。
画像Zに著作権がない場合(パブリックドメイン)
すべての画像が著作権で保護されているわけではありません。
パブリックドメイン(公共の領域)という、誰でも自由に使うことができる画像もあります。
パブリックドメインの画像であれば、その画像を使用して手描きのイラストを作成したり、AIによって生成されたイラストを作成したりすることに問題はありません。
パブリックドメインの作品は著作権の制約を受けずに、自由に使用することができます。
要点としては、パブリックドメインの画像は自由に使用できますが、著作権のある画像を使用する場合は、著作権を尊重して適切な手続きを行う必要があるということです。
「手描きの二次創作イラスト」と「画像生成AIのAIイラスト」では著作権上の相違はない
著作権法の観点から言えば、パブリックドメインであるかどうかに関わらず、著作権がある画像を使用する場合には、手描きであっても、AIの生成においても同様の注意が必要です。
手描きのイラストを作成する場合や、AIの学習に使用する場合も、元の画像の著作権を尊重する必要があります
手描きのイラストとAIの学習に関して、著作権の適用や法的な問題において差異を示すことはありません。
どちらのケースでも、著作権を尊重する必要があります。
二次創作でも、AIによる生成でも、著作権がある画像を使用する場合には同様の扱いになります。
ポイントは「著作権を尊重すること」です。
あなたが絵を描くときも、AIが画像を生成するときも、その元となる画像がどういった著作権状況なのかを知っておくことが大切なのです。
どちらが良くて、どちらがダメというわけではありません。
「二次創作は広告の代わりとして機能するというメリットもあるから、原作から黙認して頂いている」という面がありますが、許可されているわけではありません
いずれの場合も、きちんと活動するためには、著作元の許可や契約を貰う必要があります
確かに、AIを使って悪用する人がいますが、それはAIの問題でなく、AIの使い方の問題です。
正しく二次創作される方もいれば、そうでない方もいますし
AIも正しく使われている方もいれば、そうでない方もいます
二次創作による手描きの絵も、AIによる画像生成も、それぞれに法律(著作権法)が適用されるということを忘れないでください。
本当に正しく、二次創作や画像生成AIをするのであれば、どちらも元の画像の著作権を尊重し、必要なら許可を得ることが大切です。
因みに、Adobe社のAI・Fireflyは、全て権利元への許可をとり学習されたことを明言しており「Fireflyで画像を作った企業が権利侵害で訴訟を起こされた場合には法的に補償する」としています。
StableDiffusionと、Midjourneyについては、今のところ学習元の言及がない様です
ぶっちゃけ、生成AIの是非が、0か100の二極化過ぎるんだよなぁ
その間はないのかな?
アニメーターやイラストレーターさんも、ツール(AI)に助けてもらいたい時もあるようで、雰囲気的に「使いたいケド使えない」面があるようです
アニメやマンガの制作は、賃金が上がらない面や労働環境面が懸念されているので、安い人件費の国に産業を取られる前に、ある程度の作業はツールが代行して国際競争力を高めるのも選択の一つなのでは?と思います
「手描きの二次創作イラスト」と「画像生成AIのAIイラスト」では創作上の相違はあるようです
著作権法の観点から見ると、「手描きの二次創作イラスト」と「画像生成AIのAIイラスト」は同様の扱いになるというのは先程説明しました。
しかし、それは法律の観点からの話であり、創作プロセスの観点から見ると、確かに違いが存在します。
創作の観点から見ると、「手描きの二次創作イラスト」と「画像生成AIのAIイラスト」は異なる特性と価値を持っているとの意見もあります
手描きの二次創作イラストは、元の画像を元に人間が新たな解釈や感情、視点を加えて作成します。
これに対して、画像生成AIは学習したデータを元にパターンを学習し、新しい画像を生成しますが、AIは人間とは異なり感情や主観を持っていません。
したがって、手描きの二次創作イラストは作者の個性や感情、視点が反映される一方で、AIの生成したイラストは、AIが学習したデータに基づく結果とされる意見もあります
手描きの二次創作は、人間の感情や視点を通じた新たな解釈や意義の創造であり、AIの生成イラストは、大量のデータを分析しパターンを学習した結果としての新たな画像の生成です。
ただ、AIは「創造や、絵を描く」という表現は正確ではないものの、AIを使って作品を使っている方は「創作をしている」と感じます
つまり、AIには意思はないが、AIをツールとして扱っている人には、創作的寄与があると言うことです
画像生成をしてみたら、そんなに簡単に作れるものではないし、すごい絵を生成するためには緻密なコントロールが必要になりますよね
どうでしょうか?このAIイラストが何の創作的寄与がないイラストには感じないのです
おそらくこの辺は、感じ方の差もあるので、平行線を辿ることになるかもしれません
創作の本質を考慮すると、元の作品を参照にした二次創作ではなく、オリジナルのキャラクターや作品を作り上げることで、生成AIとの比較がより公正かつ明確になるのかもしれませんね。
それぞれの創作方法が持つ独自性や可能性を最大限に引き出すためには、オリジナルの創作が一つの選択肢となるかもしれません。
デジタルのお絵描きツールが、クリエイターの創作ツールになりえたように、AIもクリエイターさんのお役立ちツールになり、それぞれ異なる観点から創作の可能性を広げていけることを願っています
というのも、イラストや、マンガは、まだまだ日本は強いですが、水面下では人件費で有利な中国や韓国などにジリジリと、シェアやクヲリティが急成長しています
一次創作されているマンガや、アニメーション制作の方は手間の割に人件費を抑えられてしまっている現状を考えますと、AIは人件費の安い国と闘うためには1つの戦略かと感じます
AIによる作品生成の著作権
さて、もう一つ気になる話題があります。それは「AIが生成した作品の著作権」です。
AIが新しい絵を作り出したとき、その絵の著作権は誰に帰属するのでしょうか?
これは、世界中の多くの国でまだ明確な答えが出ていない問題で、いろんな人が頭を悩ませています。
この問題が難しいのは、AIが新しい絵を作る時に、元のデータを学んでいるだけで、絵を「作る」のはAI自身だからです。
だから、その絵は誰のものになるの?という問題が出てきます。
でも、何が正解であるかは今のところまだ分からないのが正直なところです。
世界的な法律的な視点から見ると、この問題はとても難しく、まだ詳しいルールが決まっていないのです。
日本の法律は、少しこの問題に前進してまして、簡単に生成でき「創作」に該当しないモノ、例えば「1 girl」で生成したモノには著作権が生じないようですが、手描きにより加筆や、プロンプトの創意工夫があった際には、AIが生成したものに著作権が付きます
この問題は、過去に遡るのですが、デジタルツールでのお絵描き(デジタルイラスト)は、人間が描いているのか?という議論が国会で話されたことがありました
私も少々絵を描きますが、「この範囲を塗りつぶして」という機能があります。それってどうなんでしょう?
機械が色を塗っていまして、人間が色を塗っていませんよね?
この機能は人間が作品を創作する一部とみなすべきなのでしょうか?
多くのデジタルイラストは、絵の具の筆を塗るかのような作業はしない事が多いです
デジタルイラストツールの塗りつぶしの機能と、AIが色を塗るの境界はどこなのでしょうか?
この問題を、日本の国会では以前から議論をしていたので、chatGPTや画像生成AIが流行る前から、実は日本にはこの分野のベースとなる法律が存在しています
文化庁 AIと著作権
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93892101.html
著作権については慎重に扱うべきです。
特に詳しいアドバイスが必要なときには、法律のプロ、つまり弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
自分一人で解決しようとせず、適切なアドバイスを求めることも大切なのです。
おまけ
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